あなたを嫌いにさせないで

親がイヤ。誰にも言えない愚痴。

今思い出しても涙が出てくるよ

中学1年の時だったと思う
胸が膨らみ始めていることに気がついた
着替えの時など友達を観察すると
スポーツ・ブラをしている子が何人もいる


本が好きだったので
それなりに知識はなくもなかったが
母親から生理や二次性徴について
なにか教えてもらったことはない
話題に上ったこともない


私は身長があり
子ども体型でないことを自覚していたので
自然に、自分にはブラジャーが必要だと思うようになった
母親と性的な話はしづらく
でも勇気を出して
ほんとうに勇気を振り絞って
ブラジャーを買ってほしいんだけど、と
切り出した


気まずくならないよう
努めて明るく頼んだ



母親は



馬鹿にしたような表情でわざと大げさに


「ええ!?」


と驚いてみせたあと


「まだ早い!」


と断じた



私は恥ずかしくて
涙が出そうだったが
必死でがまんした
もちろん
それ以上何も言えなかった




私にもしも娘がいたら


二次性徴が始まるより前から
かわいい下着を選ぶ楽しさを共有して
娘が私のような恥ずかしい思いを決してしないよう
先手を打ってこちらから


「かわいいブラジャー買いに行こうよ」


と誘ってあげたい