母親が苦手になったのは
ここ数年のことなんだけど

考えてみると
ずっと前から
私
なんとなくあの人に触れたくないというか
触れられるのが嫌というか

そんな感覚はあった

一緒に外出した時なんか
年寄りぶって私の腕にすがってくるんだけど
正直、手を振りほどきたいくらいイヤ

それはわりと前からで
当時は
母親を嫌ってはいけないと思っていたから
私ってなんて冷たいんだろうと
自己嫌悪していた

２年ほど前まで私は髪をショートにしていて

襟足の産毛の処理を母親にしてもらっていたのだけれど

母親に触れられるのが
ほんとうに生理的に我慢できなくなって
でも襟足の処理は自分ではできないので

髪を伸ばすことにしたのでした

まあさすがに
腕を振りほどくのはがまんしていますが

触れられると
なんというか

気持ち悪い

としか言えない

やっぱり私おかしいのかな

友達で
すでにご両親か、またはそのいずれかを亡くされた人もいて

ごめんなさい
こんなこと絶対に言ってはいけないのだけれど

うらやましいです

長く付き合いすぎて
ズブズブになる前に
お別れできた方がうらやましいです

なくなったお母さんやお父さんのことを話しながら
目を赤くされている方がうらやましいです

私もなー
５年前なら
それなりに悲しんだりできたんだけどなー

今はもうダメ
あの人の嫌なところが
たくさん見えるようになってしまったから

今あの人が死んだら
私たぶん
涙なんて一滴も出ない

精神的重圧がなくなって
ホッとする

開放感にひたると思う

あの人さ

あ
母親のことだけど

すごく健康に気をつけていて
まあそれはいいんだけど

偶然手のひらを見たら
びっくりするほど
生命線がしっかりハッキリしていて

いや〜
あんな立派な生命線見たことないわっていうくらい
見事な生命線で

ゾ〜ッとしたわ

母親の母親も
そのまた母親も
ずいぶん長生きだったし

基本的に丈夫で
その上身体にとても気を遣っていて
一人暮らしだから
へんなストレスもない

あの人
私より長生きするかも
冗談じゃなくて

そんなことになったら
息子がかわいそうすぎる！

今のうちに逃がしておいた方がいいかもしれない・・・